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| 「地上権」の性格をリスクヘッジに利用 |
「地上権」は借地権の一種。借地権を転売する際にも土地所有者の承諾を必要としないという強い性格があります。この性格に目をつけました。 大まかに説明しますと、公社が地上権で借地し、新しいマンションを建設します。そこで地上権を第1順位に設定しておくことで、抵当権が実行されて土地の所有者が変わっても借地関係は残り、事業は安心して進めることができるという仕組みです。 マンションが完成すれば、地上権をはずして建物を事業参加者に分譲します。転出する人や保留床部分は公社が持ち分を買い取って、第三者に売却します。 この方式を利用するにあたって絶対に必要なことが一つ。他の抵当権を越えて地上権を登記上の第1順位にしなければなりません。既存の抵当権をすべて抹消し、地上権を設定した後で、再び抵当権を元の順に従って設定する手順を踏むことになり、一時的ですが、債権者は無担保状態になります。 |
| “そのままの状態より、再建したほうが担保価値が上がる” | |||||
当社が確信を得てこの方法への協力をある都市銀行の方に打診したところ、通常抵当権の第1順位を付けている住宅金融公庫が承諾すれば多くの金融機関が追随するだろうという返答をいただきました。 さらに公庫に理解していただくのに、大阪、東京と足を運び、最終的には公社という公的機関が行う事業だからということで、了承を得ることができました。抵当権入れ替え時に無担保状態になる問題は、すべての手続きを同時に行うことでクリア。地上権方式のデメリットは、手続きが煩雑になるということに尽きます。約100戸にも及ぶ膨大な手続きですが、「面白そうですね」と快諾してくれた田中祥雄司法書士のお陰で確実に処理することができました。 事業参加者の方々には印鑑片手に集まっていただき、一斉に手続きを開始。皆さんの協力で、入れ替え業務も短期間で終わらせることができたのです。 |
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| 議決権を決定する「価格」とは |
| 建物が全部滅失しているとの判断から、議決権は被災マンション法に従いました。被災マンション法には「敷地共有特分等の価格の割合による」と定められています。
一般に専有面積比で定められた各戸の敷地共有持ち分であるとする区分所有法の議決権との違いは、“価格”の意味合いにあると注目しました。更地価格にその人が持つ土地の共有持ち分の割合を掛けたものを各自の議決権とするのが一般的ですが、それでは区分所有法と換わりありません。 そこで、住戸の位置決めで利用される「効用比」を加味することで、「価格」として議決権に反映させました。この「効用比」を加えた議決権と専有面積に比例した土地持ち分の価格自体の両方で決議。全議決権が賛成で、決議を終えることができました。 |
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再建の取り組みは終始、理事会とプロジェクトチームを中心に進められていきました。問題が浮上すれば「協議し、総会にかけられ多数決によって決定」とする公平かつ迅速な対応で解決されていきました。結果、約2年半での早期再建へと繋がったのでしょう。被災マンションの再建を一部譲渡地上権方式という前代未聞の仕組みを使って事業が成功するのか疑問視された時期もありました。ですが今では、当事例をたたき台に他の再建マンションでもこの方式を採用するところが出てきています。 |
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